講演会

2016.07.11 Monday 17:20
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    7月2日に東京医科歯科大学の内山茂先生の講演会に行かせていただきました。
    今回はSPTの重要性についてのお話でした

    まず、SPTとは歯周基本治療、歯周外科治療、修復、補綴治療により病状安定となった歯周組織を維持するための治療です
    プラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング、咬合調整などの治療が主体となります。病状安定ということは油断すると悪くなってしまう可能性があるのです
    SPT時には歯石除去、咬合治療、セルフケアの確立(ブラッシング、全身疾患の把握)など、一連の歯周治療が終了していることが前提です。
    SPTを行うと歯の喪失を防ぐことができます。また、SPTを受けなかった人は明らかな歯周病の再発が認められてます。
    なので、SPTは歯を守る上でとても大事なことなのです

    1、歯肉縁上のプラークコントロールの重要性

    歯周治療後の歯周組織は長い上皮付着が作られます。ですが、上皮付着は破壊されやすくちょっとしたことで再発しやすくなってしまいます
    歯周病検査をし、BOPがあったとしても付着が破壊されてるとは限らないこともあります。なので、まずは歯肉縁上を綺麗にしていくことが大事です。

    継続した歯肉縁上プラークコントロールが徹底されてなければ、歯肉縁下デブライドメントを行っても治癒が悪く、再発が起こります。 SPT時においては、徹底した歯肉縁上プラークコントロールにより縁上のみならず縁下の菌数も減少し、歯周組織の健康が保たれることがわかっています
    なので患者さん自身のブラッシングが綺麗でないと意味がなくなってしまうのです!

    2、PMTCとセルフケア
    歯肉縁上のプロケアにはPMTCがあります。PMTCでは速く、かつやさしく歯や補綴物を傷つけないように行うことが重要です
    PMTCには研磨剤をつけますが、この研磨剤は荒くはなく細かな研磨剤が良い。あくまでペーストは潤滑剤で、基本的にはブラシで落とします。なので、コンクールのジェルでも良いそうです!
    また頑固な汚れはスケーリングで落とす。
    また、PMTCではなく、ワンタフトで縁上の細かいところのプラークをとる場合は歯の形態に合わせてワンタフトを選ぶことが重要です!
    セルフケアでは、セルフケア用品を処方することも大切なことです。ただ、処方するだけでなく患者さんの症状にあったものを処方します
    まず症状のターゲットを求めることです
    細菌に対してなのか、歯質を強くするためなのかなど決めるのが大事です。その後成分素材や、アイテムなど一つづつ決めていくのです
    また、決める時は患者さんに実際使ってもらうのも大切です

    3、SPTの成果を上げる
            何を診て、何を行うか
    SPTでは、全身疾患把握もとても大事になります。 なので、必ず「お体はお変わりないですか?」と聞くといい
    また、BOPがあってもその部位のプロービングデプスが増加していない場合は、治療はあまり行うべきではない。
    なので、その場合は縁上のサポーティブケアが大切なのです!
    やむを得ず、歯肉縁下を触らなければいけない場合はデブライドメントを行います。
    歯肉縁下のプラーク、歯石、汚染歯根面、不良肉芽組織を除去することをさします。
    決して歯石のみではなく、付着性、非付着性、上皮関連プラークもとることが大事
    また、そのためにはエクスプローラーを用いる。根面のざらつきや歯石は残さないように確認を行います
    歯石はキュレットでかきだします。ただその時はセメント質は必要以上に除去はせず、過度なルートプレーニングにも注意が必要🤕
    なので、SRP、歯周デブライドメントにおいては梱面の滑沢化などは必要なわけではなく、生体が許容できる範囲まで細菌性刺激が減じられていることが重要
    また、デブライドメントは超音波スケーラーも用います。超音波スケーラーでは、ポケット内を洗いつつバイオフィルムをとることが大事です。
    低パワーから使っていき、歯軸と平行にしてフェザータッチで使っていきます。
    ですが、初診の人ほど手用を使った方が不快感はないので超音波スケーラーは患者さんと信頼関係が築けてからの方がいい

    4、SPTにおける力のコントロール
    咬合によって歯周病は悪化することがあります。力の関係が考えられるポイントは
    1〜2歯に限局した
    ・歯の動揺
    ・骨レベルの低下、歯根膜腔の拡大
    ・局所的なポケットの増加
    です。
    ですが、局所的なポケットの増加は主に2つのポイントです🔆
    まずは、側方運動時や中央滑走時の早期接触。下顎第二大臼歯の遠心咬頭、上顎第二大臼歯の舌側咬頭に注意!
    二つめは平衡側接触。
    とくに上顎舌側咬頭内斜面に注意!
    こうなったら咬合の調整が必要になります。
    側方運動時の咬合調整は歯を4.5.6あたりに指先を添えてカチカチ、ギリギリを行い、微妙な歯の動きを感知しながら行います。これをフレミタスといいます。
    ですが、咬合は歯周病の修飾因子てわあり、それ自体が歯周病を誘発することはありません。
    歯周病と咬合性外傷が共存する場合はまず、
    ・プラークをはじめとする発症性因子の除去を第一目的とする。
    ・咬合調整や固定により、歯の動揺を減少させることは可能であるが、歯周組織の破壊を抑制することは不可能。
    ・咬合干渉により著しい歯の動揺を認める場合に限り、炎症のコントロールと並行して咬合調整をする!
    また削合する時は第1次性咬合性外傷と第2次性咬合性外傷とは削合量が違います。
    第1次性咬合性外傷は過度な咬合力により外傷が生じたものです。この場合は一気に削合するのはNGです。
    第2次性咬合性外傷は歯周病の進行により、支持歯槽骨が減少して咬合負担能力が低下した歯に生じる外傷。生理的な咬合力によっても引き起こされるものです。この場合は一気に削合しても大丈夫なのです!

    次にトュース・ウェアです。
    トゥース・ウェアは複合病変です。トゥース・ウェアは4つあり、
    🔅一つめは酸蝕症です。 酸による歯の化学的溶解です。過食症や拒食症で嘔吐してしまう人やつわりの人、寿司屋で働いている人などもなりやすいです。
    また、健康のためにヨーグルトを毎食食べてる人もなりやすいです。
    ここで注意したいのが酸蝕を起こしやすい食べ物を多く摂取したらすぐにはブラッシングはしない方がいいそうです!
    通常では速やかにブラッシングしてもいいのですがこの場合は60分はブラッシングをしない方がいい
    🔅二つめは摩耗です。歯の接触以外の機械的作用による歯の摩耗です。
    荒い研磨剤でのPMTCや高い歯磨剤での長時間の歯磨きなどで起こります!
    🔅三つめは咬耗。歯の接触による機械的な歯の摩耗です。これは力の関係があります。
    🔅四つめはアブラクション。バイオメニカルな荷重による歯の喪失です。主に食いしばりなどで起きることなので、食いしばったりしてないかを見ることが大事です!
    またアブラクションは舌側にも起きるので見落とさないように気をつける。
    アブラクションに似ているのがセメント質剥離というものです。局所的に急激な歯周組織の破壊を起こす特殊な歯根破折。ほとんどのセメント質剥離は、前歯部歯根の根尖側寄り3分の1で生じます。その原因は、加齢や摩耗などと関連する連続的な過度なストレスです!これは生活歯にも起こるので注意!
    ですが、セメント質剥離によって引き起こされる歯周病変が口腔と交通する場合、早期のスケーリングとルートプレーニングによって破折片を完全に除去することができます!なので、破折片が小さければ治る可能性はあるのです!

    とにかくこれらの力が関係することには気づくことが大事になります!


    次は良くある質問です!
    Q、含嗽剤でどれくらいのプラークが除去できるの?
    A、プラークの性状によって違う。バイオフィルムを形成する前の漂っているだけのプラークは除去できますが、だんだんバイオフィルムに近づいてくると難しくなります。
    それを見極めるのが大事!

    Q、クリーニングを能率よく行うには?
    A、・落としたいのは何か
    ・それはどこについているか
    ・何のために落とすのか
    ・その成分は?成因は?
    ・何を使って落とすのか
    ・どのくらいの間隔で落とすのか
    この6つを意識することが重要!!

    Q、患者さんのモチベーションを上げるためには?
    A、・わかりすく話す 専門用語はつかわない!
    ・熱く語らない
    ・大きな声に注意 耳元で囁くくらい!
    ・ときには頭よりも感覚で
    ・繰り返しを厭わない! 何度も繰り返し教えることが大事!

    Q、歯周病ハイリスク患者への対応は?
    A、ハイリスクの人はバイオフィルムの形成が早いのでできるだけ来院間隔を短くしてみる。2、3日おきに来てもらって長い時間を使ってとにかくクリーニング!!
    それが、不可能な場合は、歯肉縁下のプラークだけでも早い段階で徹底的に除去する
    これを繰り返す事で歯肉縁下の環境が変わってバイオフィルムが付着しにくくなることもある!

    Q、メンテナンス継続の秘訣は?
    A、ケアの成果を出すこととケアの失を高めること!

    Q、歯石を早くとった方がいいと聞くが、なかなかできない。徐々にとる方法でも大丈夫か?
    A、cureの立場ではなるべく早めにとるとされている。
    careの立場からみると
    1、バイオフィルムの除去を続けることで、歯肉が締まり、ときには歯石が露出して取りやすくなる。
    2、SPTが続くことで、患者の恐怖心や不快感が少なくなり、担当衛生士との距離感も近くなる。
    3、歯周組織の自然治癒力が増加し、スケーリング時の出血や導通も少なくなる

    歯周病最大のリスクは患者さんが来なくなること。なので焦らず信頼関係を作ることが大事!ただ、歯肉縁下のプラークは基本治療の段階でしっかり除去しておく、歯石が無理ならバイオフィルムだけでも!


    内山先生の講演を聞いてSPTの重要性を改めて感じました。 また、単に歯石ばかり目を向けないで患者さん自身のセルフケアや縁上のプラークの除去などたくさんの事にもっと目を向けなければいけないと思いました。
    まだまだ未熟で歯石をとることだけに集中してしまいますが、もっと広い視野で患者さんと接していきたいです!

    きの

    category:- | by:院長 高見澤 紳治 | - | -

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