SPTについて

2016.07.11 Monday 16:51
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    東京医科歯科大学臨床教授 内山茂先生が佐久に来て「ケア発想の歯周治療−SPTの重要性」と題し講演をしてくれました。

    まずSPTとは(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー)、歯周治療を継続してコントロールしながら病状の安定を図る事です。その関わりの中で、炎症と力が口腔に及ぼす様々な兆候を見逃さない為のポイントについて解説してくれました。


    SPTは歯周基本治療、歯周外科治療、修復・補綴治療により病状安定となった歯周組織を維持するための治療。
    プラークコントロール、SC、SRP、咬合調整などの治療が主体となる。
    SPTに移行する前には歯石除去や咬合治療、セルフケアの確率など、一連の歯周治療が終了しているつまり、基本治療がしっかりできている事が前提。また全身疾患も必ず把握しておく必要がある。

    〇肉縁上のプラークコントロールはとても重要で、たとえ歯肉からの出血があっても上皮性付着が破壊されているとは限らなのでまずは歯肉縁上からアプローチする。その後、縁上が綺麗になってから破壊されているか確認する。
    継続した歯肉縁上プラークコントロールが徹底されなければ、歯肉縁下デブライドメントを行っても治癒が悪く再発が起こりうる。またSPT時においては徹底した歯肉縁上プラークコントロールにより歯肉縁上のみならず歯肉縁下の菌数が減少し、歯周組織の健康が保たれる。

    PMTCでは歯や補綴物に傷をつけずに行い使用する研磨ペーストにもこだわる。しかし研磨材にはそれほど期待せずカップやブラシだけでも落とせる。ペーストは潤滑剤としての意味がある。その為、ファインペーストにこだわらずジェルや子供ならMIペーストなどでも良い。一人一人に適した物を使用する。

    SPT時にBOPがあっても、その部位のプロービングデプスが増加していない場合には、歯肉縁下のデブライドメント効果の科学的根拠は乏しいのでプロービングデプスが増加していない部位にそのような治療は行うべきではない。触らなくてもいい所は、触らずに行う。
    SPTで大切な事は、歯肉縁上のサポーティブケアである。
    しかしやむを得ず、歯肉縁下を触らなければいけない場合もある。その場合のデブライドメントでは細いエキスプローラーを使用(細ければ細いほうがいい)しスケーラーも歯石をとるものとは別のものを使用する。スケーラーを選ぶポイントは細くて緩みがあり弾力性に優れているものを!
    デブライドメントのポイントはピンポイントで行い、エキスプローラーで探りキュレットで掻き出す。根面は傷つけないように注意する。また根面のざらつきや歯石は残さない。
    手用インスツルメントだけではなく超音波スケーラーも使用してもいいが手用でも超音波でも、正確に使用して歯根面からの感染物質の除去が達成されれば、ほぼ同等の治癒効果が得られる。しかし最初は手用が良い。

    どの段階のプラークを除去しようとしているのか、それにより器材、器具、薬も変わってくる。今、自分が扱っているプラークが、どんなプラークかを見極める事が大切。必要のないところはPMTC、必要のあるところで歯肉縁下のデブライドメントを行う。

    成果の出にくいハイリスク患者への対応としては集中治療を行う。例えば、2〜3日おきに来院してもらい短期間で一気に全額とる。それが難しい場合は歯肉縁下のプラークだけでも早い段階で徹底的に除去してみる。
    プロケアを重点的に考えセルフケアは後回しに。プロケアとしてひたすらただ黙々とクリーニングしてみる。短期間の来院を繰り返し、歯肉縁下の環境が変わればハイリスクグループからの脱却できる。脱却できれば2〜3ヶ月おきのSPTへ移行する。
    歯周基本治療としては早い段階で、歯石を取らなければ歯周治療は成功しない。
    メインテナンス継続の秘訣はケアの成果をだしケアの質を高める。

    歯石は病気の直接原因ではないので、早い段階で、無理に深い歯石を取る必要はない。まずはバイオフィルムのプラークだけ除去を心がける。
    バイオフィルムの除去を続ける事がで歯肉がしまり、時には歯石が露出して取りやすくなる。またSPTが続く事で、患者の恐怖心や不快感が少なくなり、担当歯科衛生士との距離感も近くなる。他にも歯周組織の自然治癒力が増しSC時の出血や疼痛も少なくなる。

    歯周病はケア型の病気なのでメインテナンスをしないと繰り返すのでSPTをしっかりしてはじめて成果がでる。
    長期的に考えて、ポケット内のバイオフィルムの除去を優先する。外科的な処置をしてモチベーションを下げてしまうならやらないほうがいい。最終的に歯石は取りきらないといけないが長い付き合いなので、定期的に継続して除去をすればいい。焦っても結果は同じ。またリピート率が下がるのはよくないのでしっかりメインテナンスに来てもらう為の信頼やチーム作りをする。

    せ周病と力の関係として、1〜2歯に限局した歯の動揺や骨レベルの低下、局所的なポケットの増加がある。

    咬合調整は調整量を最小限に抑える工夫をする。
    咬合は歯周病の修飾因子であり、それ自体が歯周病を誘発する事はない。力だけでは歯周病にはならない。なぜなら力にバイ菌はない!

    歯周病と咬合性外傷が共存する場合は、まずはプラークを始めとする発症因子の除去を第一目的にする。
    咬合調整や固定により、動揺を減少させる事は可能だが、歯周組織の破壊を抑制する事は不可能である。
    実際の臨床では、咬合干渉により著しい歯の動揺を認める場合に限り、炎症のコントロールと平行して咬合調整をする。少しの動揺ならばまずは炎症のコントロールを!

    今回参加させてもらい、とても分かりやすく勉強になりました。
    PMTCではきめの荒い研磨剤は使いすぎず一人一人にあったブラシや薬剤を使い分けるということです。その為には術者が豊富な知識を持ち、的確にあったものを処方できるようにしなければいけません。また処方する前にはかならずチェアーサイドで実際に使う事も大切です。
    そしてまずはセルフケアよりもプロケアを重視し口腔内をコントロールしていきます。

    SPTは定期的に必ず来院してもらうので、その積み重ねが信頼関係へと変われるよう患者の話をしっかり聞き、状態を把握する事がとても大切になってきます。
    他にも酸蝕歯など生活習慣に合わせた指導が必要になってきます。その為、口腔内をよく観察し早めに気付き早めの指導が出来る事が重要になってきます。

    SPTをするとしないでは歯の喪失も約3倍違うようなのでSPT、又メインテナンスの必要性を今以上に患者さんへ伝えていかなければいけないと思います。その為に私たちもまだまだ色々学ばなければと思いました。

    臼田

    category:- | by:院長 高見澤 紳治 | - | -

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