インプラントでの歯科衛生士と歯科助手の役割

2016.07.11 Monday 16:37
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    先日4月23日に日本先進インプラント医療学会での講習に行かせていただきました
    その中でカナダのトロント大学にいらしていた歯科衛生士の佐々木珠乃先生のお話を聞かせていただきました。

    まずは、カナダでの歯科助手、歯科衛生士の主な仕事内容を教えていただきました。
    歯科衛生士は主に口腔衛生指導やスケーリングなどです。日本と違うのは歯科衛生士でも麻酔ができたり、クリニックの開業ができるのです 
    そして、歯科助手はLevel1と2に分かれているそうです。Level1はチェアアシスタント、Level2は診療補助、レントゲン撮影、こちらでは歯科衛生士が行う歯ブラシ指導もできるそうです

    インプラントの基礎知識
    まずインプラントと普通の歯で違うことが普通の歯には歯根膜があることに対してインプラントを行った歯肉には歯根膜、セメント質がないのです。
    インプラントと歯肉組織がくっつく方法は二つあります
    ・バイオインテグレーション
          インプラントと骨がしっかりくっついて
          いる状態。ハイドロキシアパタイト系イ      
          ンプラントはこれである。
    ・オッセオインテグレーション
          インプラントに繊維が絡まってる状態。

    上部構造とインプラントを接着するのにも3つ方法があります。
    ・セメント固定
    ・ねじ固定
    ・オーバーデンチャー
    主流なのはねじ固定だそうです。

    そしてインプラントがすべて終わってからが大事になります
    それにはバイオロジックウィズ(生物学的幅径)に気をつけないといけません。
    インプラントは人体ではないので歯肉が避けようとして下がってしまうのです。
    なので最初にラインを決めておくといい

    歯科衛生士の仕事
    1、アセスメント(全体的な検査)
    検査ではハイリスクの人を特定することができます。
    ・歯周病リスクファクター
    プラークコントロールの不良、咬合、隣在歯の状態、歯槽骨量と密度などがあります。
    ・全身疾患リスクファクター
      喫煙…周囲炎になりやすい、くっつきにく 
                い
      肥満…動脈硬化の可能性
      ストレス…ブラキシズムによるアタッチメ 
                        ントロス
      糖尿病…1型、2型
      心疾患…心筋梗塞、高血圧
      骨粗鬆症…ビスホスホネート系の薬注意
      免疫能…HIV、白血病
    これらの人はインプラント行うにはハイリスクである。

    2、診断(インプラント周囲炎、健康)

    3、インプラントケア(セルフケア、プロフェッショナルケア

    4、メンテナンス
    メンテナンスで注意して見ること!
    ・プラークインデックス
    ・プロービングデプス
          プラスチック製のプローブ
          歯肉繊維がインプラントと平行に走行し
          ているので骨結合近くまで容易に到達す 
          るので注意!!
          圧は15gほど
          健全な深さは2〜4mm
          インプラントの種類確認!
    ・BOP 
    ・角化粘膜の必要性
          ないと周囲炎になりやすい
    ・結合上皮レベルのアセスメント
    ・動揺度
          ブリッジだと正確ではないので上部構造  
          を外して測ることもある
    ・レントゲン
          辺縁骨をみる
          インプラント埋入時と上部構造が入る時
          、メンテごと撮る

    インプラントを入れ、清掃状態が良くないとインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎になってしまいます。
    インプラント周囲粘膜炎は炎症が軟組織のみで、歯槽骨の吸収はない。
    インプラント周囲炎は歯槽骨まで及んでいる。排膿、深いポケット、BOP、骨欠損がみられる。

    プロフェッショナルケアとセルフケア
    周囲炎にならないためには私達が行うプロフェッショナルケアと自分で行うセルフケアが大事になります!

    プロフェッショナルケアでは、プラスチック、チタン、カーボン製のスケーラー、エアーブラシを使用する。

    セルフケアではシングルタフトや歯間ブラシ、ソーカブラシ等の使用がおすすめ

    まとめ
    インプラントを行うにあたって
    ・知識と技術、チームワーク
    ・コミュニケーション能力
    ・知識、技術のアップデート(セナーへの参加)
    この3つが大事になります!

    今回講習を受けて、インプラントを行った患者さんに対して大事なことは何かというのがわかりました。  インプラントのメンテナンスで何を見ればいいか、ハイリスクなのはどのような人なのか自分の中で少しふわっとしていたのですがこの講習で注意してみるのがわかって良かったです。
    インプラントを行った患者さんが1年でも長く維持できるようにしたいです

    きの

     

    category:- | by:院長 高見澤 紳治 | - | -

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