「歯周治療のスペシャリストを目指そう」講演会を受講して

2013.06.22 Saturday 18:30
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     歯科衛生士の岩切明美さんのセミナーに行ってきました。
    南カリフォルニア大学での留学で得たさまざまな技術や知識を日本歯科に合うように独自のシステムを作り、『IWAKIRI SYSTEM』として約30年に渡り歯科医院のシステム作りや衛生士のスキルアップトレーニングを行っている方です。

    日本は先進国であるにもかかわらず、欧米諸国に比べて歯周治療が非常に遅れているのが現状です。
    一人でも多くの方が生涯健康な歯でいられる社会を作るためには、歯周治療のスペシャリストとしての歯科衛生士が一人でも多く育成されることが必要だという思いで、この『IWAKIRI SYSTEM』を作られたそうです。



    <IWAKIRI SYSTEMとは>

    歯周治療を中心とした、歯周組織全体の「炎症のコントロール」が主になる。
    その対象者は子供から大人まで、来院患者さんすべてとなるので、自然にメインテナンスの患者さんが増えていく。
    システムの流れは下記の通りに行っていく。
    〇駑塑鄒
    ⊆N天弉茲領て方とカウンセリング(1)
    ブラッシング指導
    け蠑匹離灰鵐肇蹇璽
    ズ読床舛肇ウンセリング(2)
    Ε瓮ぅ鵐謄淵鵐



    1,資料作成
    ・パノラマX線写真、X線写真10〜16枚法、CT撮影写真、口腔内写真の撮影(5枚法+9枚法)、細菌検査、ペリオチャートの作成を行う。
    ペリオチャートには
    .廛蹇璽咼鵐庵
    ▲皀咼螢謄
    ファーケーション
    い修梁(欠損歯、歯牙の転移、修復物、不適合の修復物、カリエスの有無、歯頸部線の連続性、歯槽骨等線…など)
    を記入する。
    ☆初診時の状態を患者さんは忘れてしまいがちなので、大事な資料としてしっかり保存する。


    2,治療計画の立て方とカウンセリング(1)

    ・カウンセリングはインフォームドコンセントに沿って行う。
    作成した資料や歯周病の段階経路図を基に現在の状態、どうしてこうなったのか、リスク、問題点、治療はどのように行い、治ったときはどのような状態なのか、また治療時間、費用についてなどを話し合い理解できるように説明する。

    ☆この動機付けが上手くいくと、歯周治療がスムーズに進み成功に繋がる。

    ・患者さんには行動パターンがあり、
    〇周病を知らない状態
    ∋周病について知る
    7鮃な歯肉を知る
    せ兩が変わる
    ス堝阿飽椶
    習慣になる

    これにより、患者さんが現在どの段階にいるのかを確認できる。

    <診査、診断と治療計画>
    歯周病の状態によって1/2〜1/6顎に分けて、計画的にブロックごと歯周治療を行っていく。


    3,ブラッシング指導

    <ブラッシングのポイント>

    ゞ世鮓ながら磨く。

    ∋ブラシは筆持ち状(人差し指と親指で円をつくる)に持ち、一歯ずつ細かな動きで頬側→舌側→咬合面の順番で磨く。

    最後臼歯遠心は、頬側・舌側・遠心面の3方向から歯ブラシの毛先のトップを歯肉溝内に入れ込み磨く。
    ぅ侫蹈垢盪藩僂垢(歯の側面に沿わせ歯肉溝に入れ込み上下に動かす)

    ダ紊寮茲濃面と歯頸部をチェックする。(ツルツルしていればOK)

    時々舌も磨き、口腔内全体から細菌のコントロールを行う。

    ☆歯ブラシは大きく分けると2種類ある。
    a,毛先ストレートタイプ→歯肉縁上が良く磨ける。
    b,毛先が細いタイプ→歯肉縁下・歯列不正・矯正中の場合に細かな部分まで良く磨ける。

    ・毛先ストレートタイプは擦過傷になりやすいので注意が必要。


    4,炎症のコントロール

    歯肉炎や歯周病の原因菌である歯肉縁上・縁下のプラーク・歯石・その他沈着物の除去を行う処置をデブライドメントという。(今はルートプレーニングとは言わない)
    デブライドメントを行い炎症のコントロールができれば、健康歯肉へと改善していく。

    ◎健康歯肉は、プローブ挿入時の痛みもなく、上皮付着の上でプローブは止まる。
    ●炎症歯肉は、プローブ挿入時の痛みや出血がある。
    炎症が深部まで達すると上皮付着は破壊され、炎症は歯槽骨まで達してしまう。(プローブもポケットボトムまで到達する)


    <歯根面のデブライドメントを行う前準備として>
    ・X線写真やペリオチャートを見て、ポケットデプスや骨欠損の状態を想像する。
    ・歯根面の仕上がりの状態を予測する。
     a,スケーラーがポケットボトムに到達している。
     b,歯根面は硬く、滑沢になっている。
     c,セメント質は必要以上に除去しない。


    <処置の方法>
    超音波スケーラーのみだとリスクが多い(最初から微振動で使用すると歯石を滑沢にしてしまい、残石に気付かないなど)ので、キュレットスケーラーも使用する。
    \犠錣幣緘乕嫦紊濃転紊欧訃豺
    (前歯部は軽度、臼歯部は軽度〜中度歯周病の際に行う。)
    長い上皮付着で仕上げる場合
    (審美性が重要視される部位の、重度歯周病に使用する。)
    必ず2つのうちどちらかの方法で意図的に処置を行う。

    ☆患者さんのブラッシングが不十分な場合はすぐにまたもとの深い状態のポケットに戻ってしまう。(特に長い上皮付着の場合は再発しやすい)
    歯周病を治すためには、
    〆面のデブライドメント
    患者さんのブラッシング
    この2点がしっかり行われていることが、大きなカギとなる。



    5,再評価とカウンセリング(2)

    ペリオチャート・歯のポリッシング・口腔内写真の撮影・細菌検査を行い、その後カウンセリング(2)を行う。

    計画通りに処置がなされ、成果が達成されているかどうかを初診時と再評価の状態とを比較しながら説明する。

    ・再ブラッシング指導を行う。
    炎症のコントロールができている部位とできていない部位を患者さんと一緒に確認しながら行う。

    ☆ほとんどの患者さんは、歯周初期治療時にはブラッシングは定着しない。
    メインテナンスに入ってから徐々に定着していくので、諦めずに根気よく行っていく。


    6,メインテナンス

    定期的なメインテナンスを行うことにより、歯や歯周組織をいつも健康な状態に維持し、管理することを目指す。
    「一生自分の歯で健康的な生活をすることも夢ではない」と患者さん自身がメインテナンスの意味を理解していただいてからメインテナンスを行っていきます。
    <処置内容>
    ・プロービングデプス、歯面根面のディプラーキング、ポリッシング、フロッシングを行う。
    ・炎症のコントロールができていない部位は再ブラッシング指導を行う。
    ・支持組織の確認のため1年に1回は全顎のX線の撮影を行う。

    <期間>
    メインテナンス期間は患者さんのプラークコントロールに応じて、1〜4ヵ月の期間で行う。

    ☆厚い歯肉はプロービングだけでは出血の有無が分かりにくいが、毛先の細い歯ブラシを使うと簡単で確実な炎症の確認ができる。

    ☆セラミックやラミネートベニアは弱酸性のフッ化物や歯磨剤を使うとエッチング効果が出てしまうので、中性の物を使用する。(Check Upシリーズなど)




    <感想>

    今回のセミナーはズバリ『基本が一番大事!!』ということでした。
    IWAKIRI SYSTEMの冊子も難しい事は書かれてなく、学校の教科書のような内容でした。(むしろ学校の教科書よりも臨床的で分かりやすい!カラーで見やすい)
    勤務年数は関係なく、IWAKIRI SYSTEMに従って基本知識と基本技術を身に付けて練習すれば、誰でも歯周治療のスペシャリストになれるそうです。(知識と技術の割合は1:9だそうです)

    『治療はシンプルに効率良く、治らない治療はしない。治る治療を行う!
    そして、笑顔で丁寧な仕事を行い、信頼関係を築いていくことが一番大事!』


    当たり前の事ですが、言われてまた改めて再認識しました。
    今回得た事を実践できるところからどんどん使っていきたいです!




    *記:みや
    category:- | by:院長 高見澤 紳治 | - | -

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